吉田さま・江藤さま – インフォコム(株)| Interopインタビュー

InteropのZabbixブースに出展されていたインフォコム様のご紹介

Interop Tokyo 2019では、ZabbixオフィシャルパートナーであるIIJも、Zabbixブースの一角にUOMを出展しました。同じパートナーであるインフォコム(株)の吉田 和也さん、江藤 敏之さんのお二人にお話を伺いました。

インフォコム株式会社
エンタープライズ事業本部 LAソリューション部 コ・クリエーショングループ
上級主任
吉田 和也さま

インフォコム株式会社
エンタープライズ事業本部 LAソリューション部 コ・クリエーショングループ
技師
江藤 敏之さま

インフォコム(株)の江藤さん(左)と吉田さん(右)、IIJの福原(中央)

Zabbixパートナー会幹事として

IIJ 福原(以下、福原) インフォコムさんは、2013年に発足したZabbixパートナー会の発起人で、ずっと幹事を務めていらっしゃいます。今年も、同じZabbixブースのすぐ隣でお世話になってます。

インフォコム 吉田(以下、吉田) ありがとうございます。InteropのZabbixブースへの共同出展も今年で6年目ですが、Zabbixがすっかり浸透した印象です。また昨年、弊社はZabbixプレミアムパートナーになりました。Interopというネットワークの祭典に来るのが、現場のネットワーク担当者以外の人やユーザ企業も増えています。やっと裾野が広がってきた感触はあります。

インフォコム 江藤(以下、江藤) Zabbixが流行りだしたのが5年ほど前です。オープンソースなので、自分たちで簡単に導入し、適当に設定して使っていた。ところが、ここ3年ぐらいで『自分たちの手に負えなくなったので、何とかして欲しい』といった声が聞かれるようになりました。『ジョブやチケットやインシデントを、こうやりたい』とか、『複数のZabbixを統合して管理したい』『作った人がすでに退職しているので、何とかならないか』と、ニーズも多様化しています。

UOMのジョブ管理にLoadStar Scheduler

(吉田)IIJさんには、UOMが持つ機能のうちジョブ管理の部分に、(株)ヴィンクスが販売元である「LoadStar Scheduler」をご採用いただき、システム運用サービスとしてUOMに組み込んで、より使いやすい形でご利用いただいています。

(福原)LoadStar SchedulerをUOMで使おう!と決めたのは早かったですね、ほとんど検証もせずに直感で(笑)。Zabbixと違ってオープンソースではないですが、国内で大手ベンダーが取り扱っている情報管理サービスよりも高いコストパフォーマンスを、ユーザに提供したいという思いは、御社と同じですね。

(江藤)オープンソースといえば、先週行ったお客さまも『オープンソースのジョブ管理ツールをいくつか比較したけれど、やっぱり使えない』という話でした。日本で開発された、日本のユーザ向けのツールは、欲しい機能を次々と実装して、痒いところに手が届くまでに成長しています。それだけの「歴史と実績」があるので、簡単には他のサービスに乗り換えられないんですね。

(吉田)「増改築」を繰り返して来た分、複雑になっていたり、価格も決して安くはありませんし。

(福原)その点、LoadStar Schedulerは、機能とコストのバランスがいいですよね。

(吉田)はい。現場の経験が浅い運用エンジニアでも、操作マニュアルなしで使える、簡単で直感的な操作が特長です。また、登録したジョブの内容も、エラーがないか事前にチェックできるので、運用工数も大幅に削減できます。操作性がよく、ジョブ作成の手戻りがなくなったことで業務量が大幅に減ったと、効果も感じてもらっています。

(江藤)LoadStar Schedulerは、管理画面がブラウザベースなので、お客さまと直接、画面を見ながらやり取りできるので、非常に効率的なんです。以前は、電話やメール、酷いと紙で情報共有していましたから。そして、海外製品は、GUIではなくコマンドベースだったりして、特にジョブ管理系のサービスが使いづらいのが多いんです。熟練したエンジニアでなければ使えない。

(吉田)でも、海外ではそれでもいいんです。なぜかというと、高い報酬を得る運用スペシャリストが使うツールだから。

(福原)ある意味、真っ当ですね(笑)。

(江藤)そうなんです。システムを開発する人と運用する人が近い立場にあるDevOpsの考え方は、日本ではまだまだ進んでいません。現場のオペレーターでも使えるようなツールでないと、なかなか普及しません。

(吉田)ある程度コモディティー化された機能だけをコンパクトにまとめ、リーズナブルに提供することで、別のニーズがあると考えていますが、この辺りは常にせめぎ合いですね。

シンプル操作で、リアルタイムにステータスを把握

運用という業務の重要性にもっとスポットを!

(福原)運用スペシャリストといえば、僕が知る限り、運用の世界で高く評価され、高給を得るような人は残念ながらいませんよ。確かに、注目を浴びる花形商売ではないですが、とても重要な仕事なんですけどね。新しいサービスの導入も難しいですし。

(吉田)運用の世界観は、どうしても変化を嫌いますからね。一度導入したツールやサービスは5年や10年無理をしてでも使う、現場サイドの意識があって変化を生まないので、新しいツールの導入は確かに難しいです。

(江藤)経営者がコストカットを考えるときには、真っ先にプロダクトに掛かるコストを削ることを考えます。結局、煽りを食らうのは現場で、運用もスリム化できずに、中途半端に煩雑なまま。

(吉田)評価されなければ、新しいことに挑戦するモチベーションも現場に生まれず、現状のままでいこうという気になるのは当然です。どの現場も、本当にメリットがあったり、何かの事情で既存の方法が使えなくなるきっかけでもない限り、ストレスになるようなことはやりたがらないですから。

(福原)運用は、利益を生む仕事ではない悲しい宿命ですが、企業のインフラを支える重要性が、もっと理解されて欲しいです。

(吉田)無理やり勇気付ける訳ではありませんが(笑)、UOMが目指している、システム運用を効率化する方向は正しいと思いますよ。サービスは、導入して終わりではなく、どのように管理運用していくかが重要。それぞれ、Zabbixのパートナー各社が得意なところを活かしつつ、運用業務の底上げにつながっていけばと思います。

翌日、なぜかブースには栄養ドリンクの山が

 

インフォコム株式会社
https://www.infocom.co.jp

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