システムのクラウド化が進んだら、運用や保守はどうなるか?
新型コロナウイルスへの対応で、多くの企業や組織でシステムのクラウド化が加速しています。皆さんの会社でも、オンプレミスからクラウドへの切り替えが、さらに議論されているのではないでしょうか。
クラウド化するときに、システムの構築ばかりが注目されます。しかし、実際には構築だけではなく、もちろんシステム運用や保守についても考えなければなりません。今回は、システムがクラウドに切り替わった場合の、運用や保守について説明します。
システムのクラウド化で、運用や保守も変わらざるを得ない!
AWSやAzure、GCPなどのパブリッククラウドが、ビジネスのいろいろなシーンで手軽に使えるようになりました。システムをクラウド上に構築することで、運用や保守も大きく変化します。いろいろな機能がクラウドで提供されることで、例えば、今まで担当者が対応していた仕事がなくなったり、新たな仕事が発生します。ハードウェアに至っては、存在すら意識されなくなります。
・オンプレミスとクラウドで求められるスキルの違い
オンプレミスのシステムをクラウドに移行する場合、培ってきた経験がそのまま活かせるとは限らず、求められるスキルも異なります。例えば、以下のスキルは特に差が出る可能性があります。
- ネットワーク
- データベース
- サーバ
特に注意が必要な点が、ネットワークです。クラウドでは、ネットワークなどは全て仮想化されます。技術としては昔からありますが、シンプルなネットワークで完結していたオンプレミスの環境では、馴染みは薄いかもしれません。ほとんどはオンプレミスのノウハウで対応できますが、そもそも知識を持っていなければ、クラウド用の知識を習得する必要があります。
Azure/GCP/AWSの各クラウドとニーズ:現場のプロに聞いてみた(3)
https://un4navi.com/interview/19065/
・オンプレミスからクラウドへ切り替えるメリット
クラウドがサービスとして提供している環境なので、運用や保守の責任範囲が明確になることがメリットです。責任範囲が限定されるため、システム運用担当者の負担も軽減できます。また、運用や保守の専用ツールなども用意されているため、自前で用意しなくても、簡単に対応できます。
- 運用や保守の責任範囲が明確になる
- 一般的にハードウェアに関する仕事は不要に
- 専用ツールが用意されていて、運用や保守がしやすくなる
・オンプレミスからクラウドへ切り替えるデメリット
一方、クラウドに適した、新たなスキルの習得は不可欠です。それまでハードウェアなどを担当していた人は、仕事や職を失う可能性もあります。他の担当者への引き継ぎや人材調整など、チームとしての手間も掛かります。
- 必要な人員が少なくなり、仕事がなくなる人も
- クラウドに関する新しい知識が必須
- クラウド側の環境変化に合わせなければならない
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現在の担当者や企業はどうするべきか?
クラウドでシステムを構築することにより、オンプレミスでの運用・保守担当者は仕事が減ります。そのため、担当者自身や企業としてどうするべきかを考えなければなりません。
ただ、仕事がなくなるばかりではありません。クラウドに合わせた新たな仕事が増える面もあるので、スキルをアップデートすることで、業務の範囲を広げていけばいいのです。
クラウドへ切り替えると、新しいスキルが必要となることはいうまでもありません。新しいスキルの習得に手間は掛かりますが、そこは悲観的に捉えず、企業としてもスキルアップのサポートを心がけましょう。
エンジニア
- クラウドに必要な、新たなスキルの習得
- 社外研修へ参加するなど自己啓発
- 海外の情報も習得できるように英語力を高める
組織
- エンジニアのスキル向上や移行支援
- 勉強会の実施
- スキル習得費用の負担
クラウドを利用する時も、自動化で担当者の負担を最小限に
クラウドのメリットを最大化させるには、可能な限り自動化しましょう。例えば、自動バックアップやスケーリングは、クラウドならではのメリットです。ジョブツールなどもあり、定常的・非定常的を問わず、運用や保守を自動化できます。現場担当者の負担が減れば、前述のエンジニアのスキルアップや人材配置にもプラスに作用します。
逆に、自動化ができず現場担当者の負担が増えると、それはクラウドの利用がマイナスに作用することを意味します。その結果、クラウドで構築したものを再度オンプレミスに戻すこともあるぐらいです。
クラウド化のカギは、人材と自動化!
システムをクラウドに移行することは、運用や保守にも大きな影響があります。厳しい現在と将来にとって、どのような成果が期待でき、何がリスクになるのかは、組織ごとに異なります。クラウド化を進めることが、ビジネスの存続と成功につながるのかは、限られた時間の中でもよく考えなければなりません。
鍵を握るのは、人材と自動化の2つ。クラウドに適した人材を適材適所で配置し、スキルを身につけた担当者が専用サービスを使って、自動化・効率化する。このポイントを理解しておけば、クラウドでの運用や保守にもスムーズに移行し、ビジネスを継続できるでしょう。
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