業務運用と運用業務って紛らわしいけど同じ?一体何が違うのか?
今回は業務運用について考えてみましょう。「運用業務」ではなく「業務運用」です。前後の単語が入れ替わっただけで紛らわしいですが、この2つは同じことのようでいて、少し意味が違います。
まず、「業務運用」とは、「ビジネスに関係する部分の運用:Business Operation」のことを指します。一方「運用業務」とは、この「運用ナビ」でもいろいろな記事で書いていますが「システム運用という業務:System Operation Work」のことです(以下では、区別しやすくするために「システム運用業務」と呼びます)。両者は密接に関係していますが、ビジネスサイドから見るか、システムサイドから見るか、の違いがあるのです。今回の記事は、前者の話です。
業務運用とシステム運用業務の違い
業務運用とシステム運用業務は、完全に切り分けられているのではなく、どちらにもビジネスとITシステムとが関係しています。それぞれが相互に調整し合いながらスムーズに運用していく必要があり、基礎的な知識と、両者がどのように関係しているかの理解が不可欠です。
○業務運用
- 業務に関する部分のオペレーション
- ビジネスに関する総合的な知識が必要:商品やサービス、業種、業界、従業員など、ビジネス(本業)に関する運用や管理
○システム運用業務
- システムをスムーズに運用していく業務
- システムに関する総合的な知識が必要:ITシステムやネットワーク、サーバ、データベースなどが、ビジネスにどう関係するか
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主な業務運用の例
では、どのような作業が業務運用なのか、具体的に見てみましょう。
・運用スケジュールの設定と管理、実施
年/月/週/日など各単位で、運用スケジュールを設定します。作業項目や担当者を決め、進行管理しながら改善していきます。
・データの登録や更新、メンテナンス
顧客情報や商品データ、売上データなどを登録したり、更新して、最新の状態に保ちます。
・リリース対応
システムの更新が必要な場合、どのタイミングで実施するか、メンテナンスとしてシステムの停止が必要かなどを、調整します。
・ユーザ情報の管理
社員の新規・中途採用や退職、異動、組織変更などに応じて、ユーザ情報を登録や変更、権限を設定します。
・業務イベントへの対応
業務上、定期・不定期で実施される出来事(イベント)にも、スムーズに対応することが重要です。年度替りのユーザ情報以外にも、部署の変更や統廃合、オフィスの拡張・移転やフリーアドレス化など、注意すべき点が多数あります。ファシリティエンジニアやサービスデスクなど、横の連携も忘れずに。
・ユーザへの告知書類や手順書、マニュアルなどの文書作成・管理
運用手順書などのドキュメントを管理します。
・ソフトウェアのライセンス管理
ユーザが使う端末の、OSやソフトウェアのライセンスや更新を管理します。
・インシデントや障害対応、予防策
トラブルやクレーム、問い合わせに対応します。
障害ではないインシデントとは!?インシデント管理:ITILの基本(4)
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このインシデントの原因は?問題管理は「根本治療」:ITILの基本(5)
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・ジョブの設計や管理
例えば、夜間の自動バックアップのバッチ処理などを管理します。
・コミュニケーション管理
SlackやGitHubなど、社内の連絡手段を管理します。外部向けには、広報と連携してソーシャルメディアを活用する例も。
・トレーニングや防災訓練
スキルアップやナレッジマネジメントのために、チームメンバーに教育研修の機会を提供します。また、災害や事故に備えて、非常時の訓練も計画・実施します。
貴重な知識を共有!ナレッジマネジメントはシステム運用にこそ不可欠
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災害も障害も忘れた頃にやってくる!平時に考えたい事業継続計画
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・サービスのレポート
運用状況の概要を管理責任者に報告します。サービスの稼働やインシデントの発生状況を判断して、運用業務の効率化や改善を目指します。
「本業」としての業務運用を強化するには?
業務運用とシステム運用業務は、別々の業務ではなく、同じことを見る角度が違うだけだということが、おわかりいただけたでしょうか。
ビジネスがB2BでもB2Cでも、実務に直接関わる業務運用は、どうしても人が処理しなければならない作業の比率が高い傾向にあります。例えば、任意の業務に特化したアプリケーションを開発できれば、ある程度は簡略化・自動化も可能かもしれません。しかし、開発や運用全体のコストや柔軟性、セキュリティリスクなどを総合的に判断すると、まだまだ人が運用した方がメリットが多いのが現実です。
一方、ITシステムのノウハウや経験が必要なシステム運用は、業務運用に比べれば専用サービスを使った自動化・省力化が進んでいて、外部のプロにアウトソースする例も増えています。システム運用業務を楽にすることで、人やコスト、時間などのビジネスリソースを、本業である業務運用に回せるようになるため、注目を集めています。
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