システム運用をテーマに実際にイベントを主催するには、どうする?
以前の記事で、『システム運用に関する勉強会を開催してみよう!』と提案しました。イベントとしての運営の考え方や進め方は、システム運用につながることが多々あるからです。今回は、勉強会に限らず、イベントを実施する上での具体的な準備や注意点を、時系列で簡単にまとめてみます。社外で10~20人程度のイベントを開催する想定ですが、基本となる考え方は、社内でも、より大きな規模でも活かせます。
システム運用の勉強会を開催してみよう:社内でちょっとずつ編
https://un4navi.com/management/19031/
システム運用の勉強会を開催してみよう:社外にチャレンジ編
https://un4navi.com/management/19032/
1.テーマを決める(1ヶ月前~)
まずは、テーマ。これが決まれば、登壇者や参加者像、実施スタイル、場所なども自然と決まります。システム運用や開発現場にいる人が関心を持ちそうな、旬のテーマが注目を集めやすいです。いくつかのテーマを考えたら、同じテーマのイベントがあるか検索して、参考にしてみましょう。
2.実施スタイルを決める(1ヶ月前~)
同時に、テーマに合った実施スタイルを考えます。セミナー形式は、登壇者の話を参加者が聞いて、最後に質疑応答の時間を持つ、一般的なスタイルです。講師役の確保が必要ですが、優秀な人がノウハウを持っている一方、仕事の負荷も集中するのがネックです。また、教える側・教えられる側という関係性も固定されがちです。
ワークショップ形式は、参加者が自分のデバイスを持ち込んで、実際に何かを閲覧したり動作させながら進められるので、積極的に取り組むことで参加意識が高められます。ただし、専用のデモアカウントやプログラムのセットアップなど、それなりの準備が必要です。ただ、開発と違って、短時間で何かプログラムを作って動かしてみるような進行がしづらいので、何か工夫は要るでしょう。
他にも、付箋やホワイトボード、カードなどのアナログなツールを使ったり、ドリンクや軽食を用意した普段と違うカジュアルな雰囲気で、参加者同士が自然に交流しやすくするのもよくある方法です。
3.日時や場所を調整する(1ヶ月前~)
開催日時や時間、場所も、テーマやスタイルと合わせて調整しましょう。日時は、参加しやすさを考えると、平日の終業後や週末がメインですが、都市部では出勤前の「朝活」も人気です。
一般に、コミュニケーションや意思決定がスムーズに進められる人数の目安は、『ピザ1枚をシェアできるぐらい』だといわれます。前述のスタイルごとにレイアウトが柔軟に変更できると効果的です。参加人数が増えるとスケール感は出ますが、会場の手配や準備など、オペレーションコストも上がります。この辺りもシステム運用そのもの。
参加費は、無料の方が参加はしやすいですが、少額でも参加費を設定すると、ある程度積極的な意識を持つ人だけに対象を限定する効果があります。
4.協力者に声を掛ける(1ヶ月前~)
重要なのが、協力者の存在です。参加人数が増えてきたら、運営の体制も負荷分散を考えつつ、スケーラブルに調整したいところ。また、自分の業務が忙しくなって予定を変更せざるを得なくなることは必ず起きます。ある程度の条件が揃えば気負わずに始めてみて、PDCAの回数を重ねながら改善していくアジャイル型が有効です。
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5.告知・集客する(1ヶ月前~当日)
IT企業や個人、メディアなどが主催するエンジニア向けのイベントは、毎日のように開催されています。他の人が主催するイベントに参加すれば、いろいろなヒントが得られます。告知と集客のサービスがいろいろあり、ソーシャルメディアに連動しているので、Facebookイベントとリンクしたり、Twitterでシェアされることで、より幅広い人々にリーチします。
社会人に予定を調整してもらうには、遅くとも2週間前には告知したいところ。内容が確定していなくても、先に告知して集客します。技術レベルにばらつきが出すぎないように、事前に、どのような人が対象かを明示しておくのがいいでしょう。
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6.資料を作る(~直前まで)
資料は、ゼロから作る必要はありませんが、いろいろと注意点があります。まず、公開していい情報か、撮影を許可するか、配布までOKかなど、必ず事前に確認して開始時にアナウンスしましょう。使っているグラフや表の出典は明記されているか、イメージ写真のラインセスは取得済みか、ファイルのプロパティなど、細部にも注意。参加者に役立つ最新情報を提供すると「その場」ならではの価値が高まります。
7.開催・運営する(当日)
初めて使う会場なら、できれば早めに入って機材や導線をチェック。エントランスやエレベータホールに案内を張り出すのも有効です。後は、参加者の満足を意識してスムーズな進行を心がけましょう。参加者の写真撮影や、位置情報のチェックインなど、情報の記録やシェアには適切な配慮を忘れずに。とはいえ、基本的にはシェアを積極的に促しましょう。
8.アフターフォローする(即日~終了後3日以内)
当日使った資料を公開してよければ、エンジニアが集まるオンラインコミュニティなどにアップロードし、必要な基本情報やタグを添えて、ソーシャルメディアでシェアしておきましょう。ポイントだけ絞った簡単なテキストでも、いろいろな場所に痕跡を残しておくことは、次回以降の告知と集客にプラスになります。次回に向けて、どうすれば準備に必要な手間を最小限にできるかを考えるのも、運用視点のパフォーマンス改善です。
Qiita
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SlideShare – 「IIJ」で検索した例
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9.次に向けて準備する
イベントも、トラブルが起きないように入念に準備しても、イレギュラーが起きます。参加者が不満を感じていればそれをケアし、原因を調べて次回の改善につなげます。どうすれば、大きな労力を掛けずに、参加者の満足を最大化できるか?を考えながら、ファンを集め、コミュニティを運営していく努力も必要です。途中で思わず『後は、現場の運用でカバー!』といいたくなるほど、システム運用に通じているはずです。
Pingを打てばすぐに反応が返ってくるような、参加者の関心が冷めていない間に、次のアクションに移るのは非常に有効です。距離感が近いイベントでの接点は、単なる名刺交換以上の価値があります。参加者同士が自社サービスを紹介し合ったり、同じテーマに関心を持って集まる運用や開発現場の人から、情報や反応を直接聞ける貴重なチャンスです。また、システム運用エンジニアとしての自分自身のプレゼンテーションの機会にもなるでしょう。
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