システム運用の勉強会を開催してみよう

システム運用についての情報は、どうやって得ていますか?メディアのサイト閲覧やブログの購読、SNSをチェック、業界まとめサイトやメールマガジンの購読、セミナーへの参加などでしょうか。忙しいシステム運用担当者の皆さんには敢えて、勉強会を自分で主催してみることをお勧めします。

社内で勉強会を開くメリット

社内の勉強会は、実務に近いテーマで関係者たちと直接話ができることが、大きな魅力です。業務に必要な情報だけしかやり取りしない同じチームの人と、個人が持っているノウハウや課題を共有できます。システム運用に限らず、自分が考えているアイデアがまとまったり、課題解決のヒントが得られます。
また、普段は接点がない人たちと接触機会を持っておくことは、円滑なコミュニケーションに役立ちます。例えば、営業部が普段、客先でしている説明をあらためて聞いたり、開発が運用に期待していることを普段とは違う角度から把握するなど、実施してみて初めて気づくメリットも。仕事の状況や人となり、考え方の傾向を把握しておけば、メールやメッセンジャー、電話だけでは十分に理解できない細かなニュアンスを補完できます。その時点ではシステム運用と直接関係しない人でも、新規プロジェクトや異動、部門間での調整など、後から意外な形で効果となって表れることがあります。
この他に、システム運用に必要なノウハウを無理やりでもアップデートしなければならない、スパルタ的な主催者メリット(?)もあります。とにかく、参加者同士が刺激しながら学習できる機会は、モチベーションの維持にプラスに働くことは間違いありません。

テーマの設定

テーマで重要なのは、参加しようか考える人たちに、業務に具体的に役立つメリットがあると期待してもらうこと。テーマをはっきりさせることで、参加者像の想定にも役立ちます。例えば、マーケティング部の人にとっては、「システム運用のテクニカルな内容」よりも「ヘルプデスクに寄せられる問い合わせの傾向」の方が、サービスの訴求に直結します。参加者はそれぞれ課題を抱えているはずなので、勉強会を終える最後に、次回のテーマについて直接ヒアリングするのもお勧め。何らかの形でシステム運用に結びつくテーマがないかを探しながら、上手く舵取りしていきましょう。

開催を積極的にアナウンスして募集

最初のうちは、人がなかなか集まらないものです。勉強会には参加したいが、仕事を増やしたくないと考える人も一定数います。勉強会の告知と参加者の募集は、社内メーリングリストに流したりするだけでなく、個別にチャットで声を掛けたり、複数回にわけてお知らせするのが効果的です。ITの現場だからこそ、ポスターとして各所に張り出したり、エレベーターで一緒になったら声を掛けるなど、地道でアナログなアプローチが実は有効です。
他の拠点にいる人でもテレビ会議で遠隔参加してもらえたり、当日参加を可能にしておくなど、誰でもいつでもウェルカムな姿勢で大らかに臨みましょう。鬱陶しくならない程度に告知しながら、『システム運用の部署が主導して、勉強会をやろうとしている』ことを、繰り返し丁寧に説明していきましょう。

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上司や管理者との調整

勉強会に参加するのは現場の人が中心ですが、上司や経営層に協力を取り付けておくのは重要です。
まず、一定の距離感で見守ってもらうように依頼しておきましょう。具体的な成果や達成目標を設定してしまうと、単に通常業務の延長のようになり、参加者のストレスが増えるだけです。まして、上司が参加して場を仕切ってしまうとか、逆に参加しないのに指示だけ出すことは、ただのデメリット。例えば、進捗報告を兼ねて運営スタッフのミーティングに時々参加してもらうとか、社内での発表の機会を作ることで、理解を求めましょう。
働き方改革で労働時間がシビアにチェックされる今、仮に時間が延長されたときや、社外の施設を使うときの移動など、どこまで勤務時間の扱いになるのか?といった点も、確認しておく必要があります。また、教育研修の一環として、資料や備品の購入予算、施設利用料などが会社から支援されれば、主催者・参加者には大変心強いバックアップです。

社内勉強会はココに注意

何のための勉強会なのか、目的は常に意識しておきましょう。雰囲気づくりのためだけに開催するなら本末転倒で、むしろ個人で集中した方が効果が高い面も。また、連続した勉強会にしてしまうと、途中から参加しづらくなります。バランスよく運営していくのが、主催者の腕の見せどころです。
勉強会への参加を(半)強制するのは、折角、興味を持った人の足まで止めてしまいます。発表するのが苦手な人も。「常連だけの内輪ウケ」にならないように、参加しやすい雰囲気作りに心がけましょう。また、プロジェクトが佳境に入ったり、緊急の業務でキャンセルや変更は避けられません。イレギュラーにも柔軟な対応を。

主催者が一番オトクな役回り!

勉強会を運営する立場は、情報や人の流れが最も活発なポジションです。そのため、誰かに教えられるノウハウやネタが自分にあるかどうかは、実はあまり関係ありません。人間にとって学習効果が高いのは、受け身で見聞きするよりも、実際に自分でやって失敗しながら覚えるときで、自分の言葉で他者に説明したり教えるときに最大化するといわれます。ある程度落ち着いてきたら、タイミングを見て運営を若手に任せてみるのも一案でしょう。
コミュニケーションのチャンネルを変えて、システム運用に関する情報を社内に発信し続けることは、多少無理をしてもやってみる価値はあります。長い目で見ると、必要なタスク以外の関係を築いておくことは、システム運用と開発の距離を縮める、DevOpsやSREの観点からも非常に有効です。
さらに、社内で勉強会を運営して得られる経験は、社外でITセミナーを実施する場合にも大いに役に立ちます。これらは、また次の記事で。

システム運用の勉強会を開催してみよう:社外にチャレンジ編
https://un4navi.com/management/19032/

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