自分の未来をどう描く?システム運用担当者のキャリアパスとは?

昼夜を問わず発生するトラブルの対応を迫られる、システム運用業務。残念ながら『年末年始や夏休み、子供の運動会の途中でもアラートが鳴る』『通知をオフにできないので、プライベートで映画やコンサートにも行けない』、そんな担当者の悲鳴も漏れ聞こえて来るのが現実です。
そもそも、ITシステムは問題なく稼働するのが当たり前だと思われ、正当な評価を得られにくい構造にあります。また、人材不足が叫ばれる今、システム運用業務はIT系エンジニア職の中ではハードルが比較的低いためか、未経験者OKの求人も多く目につきます。
これでは、キャリアパスが見えづらいのも当然でしょう。今回は、システム運用に携わる人材の将来設計について、前向きに考えてみましょう。

システムの提供・利用と、組織規模による人材の違い

システム運用担当者とひとまとめで呼びがちですが、ITシステムを提供する側と、利用する側の組織ではさまざまな点で異なります。そのバックグラウンドも多種多様。『開発部門だったのに、成り行きでシステム運用に』とか、『なぜか管理業務のついででシステム運用も兼任』、『社内の配置転換でシステム運用部門へ異動』などは、よく聞く話です。さらに、組織の規模によっても、業務内容とキャリアパスが異なります。

システム【提供】側企業の運用担当者

  • システム運用が本業(の一部)。自社開発したシステムやサービスを、クライアントに提供する(ITベンダーと同様)。
  • ユーザからの依頼を受け、他社のシステムやサービス運用のアウトソーシング先として受託。
  • 人材が充実していて、運用以外に、開発や保守担当も。
  • 組織規模にあまり関係しない。大企業では、キャリアパスが充実していて、プロジェクト管理能力や技術力を磨く研修プログラムもある。現場の技術力以外にマネジメント能力も磨けば、経営幹部への期待も。

システム【利用】側企業の運用担当者

  • 他社が開発しているシステムやサービスを導入して、ビジネスに利用。
  • 本業は別にあるので、システム運用に割くリソースも限定的。開発や運営は外部の会社にアウトソースも。
  • 人材も限定的。情報システム部を持つ大企業では、専門の人材も豊富。一方、中小企業では、社内には専門部署がなく、運用と保守、場合によっては開発から兼任することも。外部の開発会社へ委託も一般的。
  • キャリアパスが不確か。システム運用は本業に直接関係がなく利益を生まない「コストセンター」だと誤認されていため、運用業務そのものの重要性が認知されておらず、雑務処理に追われる。

運用業務からのキャリアパス(理想例)

ごく理想的な、一例を考えてみましょう。スタートは、組織の情報システム部門への配属から。
まずは、監視や運用、保守業務の現場で経験を積んでいきます。業務内容によっては、ユーザやデータセンターに常駐。サーバやアプリケーション、ネットワークに関する知識を学び、システムやネットワーク、データベースなど、各エンジニアとしてステップアップしていきます。ある程度の規模だと、複数のメンバーで役割分担し、徐々に任される件数や範囲が広がっていきます。前述のような環境の違いによっては「ひとり情シス」状態なことも。
また、システムだけでなく、対人関係の運用も不可欠です。システム運用は開発よりもユーザに近い位置にあるため、ユーザのニーズを聞き出して運用に活かすコミュニケーションスキルも鍛えられていきます。また、組織内で稼働するITシステムの増加と多様化により、アウトソース先やパートナー企業など、担当チームの数もその人数も拡大しています。中間管理職としての悲哀と充実も経験。
その後、武器となる資格も取得しながら、リーダーとして構築や設計も担当。さらに、要件定義も担当したり、提案型の営業ができるコンサルティング業務もこなすようになります。トラブル対応や社内外の折衝を経て経験の幅も深さも広がり、システム責任者に。一定の実績を達成し、社内政治などもうまく乗り超えれば、情報システム部の部長から、最終的には晴れてCIO(情報統括役員)就任!といったところでしょうか。

選択肢が広がる、これからの運用担当者のキャリアパス

ただ、システム運用という業務に求められる役割は、わずかずつですが変わりつつあります。例えば、開発と運用を一体として考えるDevOps、エンジニアリング視点で運用も考えるSREなどが重要視される潮流があります。

開発と運用が相互協力するDevOps、運用も開発現場に積極参加!
https://un4navi.com/efficiency/19018/

SREって大規模な組織の話?開発と運用をチームにするメリットとは?
https://un4navi.com/automation/19016/

当然、システム運用担当者という個人に求められる役割も、変化が求められています。自分のキャリアパスがイメージできるような、社内研修や公募などの体制は整っているか?他の部署とも活発に交流し、知識や経験を広げられる環境にあるか?実際に、運用部署から設計や経営層に進んだロールモデルはいるか?これを機会に、周囲の環境と自分自身のポジションを見直してみるのもいいかもしれません。

今まで

  • ITの実務上の利用方法について問い合わせを受けて対応
  • 定められたオペレーションを繰り返し実施
  • ITに関するトラブルに対応する障害対応
  • インフラに関する管理業務 など

これから

  • システム運用管理を自動化・自律化できる仕組みの導入
  • マルチクラウドやサービスプロバイダの効率的な管理
  • サービスや事業に対する深い理解、技術やトレンドを敏感に把握するアンテナ
  • 変更にも即応できるシステム設計への、積極的かつ柔軟なコミット
  • 安定稼働vs改善という、相反する利害のバランス感覚
  • 他部門や他社、ユーザとの、さらなるコミュニケーションスキル
  • ITサービスマネージャとして、システム運用業務の新しい価値を説明できるマインド

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