オンプレミス仮想サーバとVPS、仮想マシンはどっちを選ぶべきか?
仮想化については、すでに他の記事でも解説しました。サーバやストレージなどを物理的なリソースに依存せず、ソフトウェアで論理的に統合し、一元管理して利用する技術です。現代のITシステムには不可欠なこの技術の需要は依然として高く、市場も拡大傾向にあります。
中でも、「オンプレミス仮想サーバ」と「VPS」はそれぞれ、いろいろなビジネスの現場に導入されています。今回は、このオンプレミス仮想サーバとVPSそれぞれの特徴と、導入するメリット・デメリットを見てみましょう。
仮想化サーバの運用(1)- 物理サーバと比較したメリットと特徴とは?
https://un4navi.com/prologue/19022/
仮想化サーバの運用(2)- デメリットや制限、導入前の注意点とは?
https://un4navi.com/prologue/19023/
オンプレミス仮想サーバとは
オンプレミス(on-premise)は「自社運用」とも呼ばれます。企業が管理する設備内にサーバーやソフトウェアなどの情報システムを設置し、自社の設備で運用することを指します。従来は、ITシステムを自社内で運用するのが一般的でしたが、インターネットに接続されたクラウドコンピューティングが普及するにつれ、社外リソースをオンデマンドで使う形態と区別するために、オンプレミス(premise:家屋敷、土地建物、構内)と呼ばれるようになりました。
オンプレミス仮想サーバでは、自社のサーバにVMWare(ヴイエムウェア)やHyper-V(ハイパー・ブイ)などの専用ソフトウェアをインストールし、仮想環境を構築するのが一般的です。
○オンプレミス仮想サーバのメリット
- すべてを自社環境で構築し、管理できるので、ニーズに合わせて自由にカスタマイズできる。
- 自社専用で運用するため、他者と共有して負荷の影響を受けたりすることがない。
- 情報のセキュリティも、自社で管理できる。
○オンプレミス仮想サーバのデメリット
- 自社のシステムにとって最適な環境をすべて、自社で構築する必要がある。
- サーバの調達や設定など初期導入コストが高く、継続利用を続ける間はインフラの管理・維持コストが掛かる。
- ネットワークやサーバー環境は自社の設備に依存するため、インフラの変更や拡張が必要になった場合には、確認や調整に多くの時間とコストが不可欠。
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VPS(仮想専用サーバ)とは
一方、VPS(Virtual Private Server)とは、ベンダーが提供する仮想サーバを、専用サーバとして提供サービスです。物理的な専用サーバはレンタル料が高く、リソースも完全には使い切れないかもしれない点が気になる。とはいえ、共有サーバだとリソースやパフォーマンス面で不安を感じることもあるでしょう。このような場合に最適なのが、VPSというソリューションです。物理専用サーバと、共有サーバとの中間の位置付けです。
仮想環境でサーバなどのインフラを提供するため、ユーザは必要な分だけ料金を支払って使うことができます。また、サーバリソースをオンデマンドで自由に拡張・縮小できるため、運用面の効率化とコスト低減が期待できます。
○VPSのメリット
・専用サーバを安価でレンタルできる
VPSは、一般的に、物理専用サーバよりも安価でレンタルできます。性能面では物理サーバには劣るものの、手軽に専用でレンタルできるのが大きな魅力です。
・比較的自由度が高く、独自設定も可能
ベンダーが構築した環境をそのままレンタルし、OSの管理者権限がない共有サーバと違い、VPSは比較的自由度が高く、独自に環境を構築できます。
○VPSのデメリット
・ランニングコストが掛かる
初期費用と、月額利用料というランニングコストが発生します。オンプレミスで運用する場合の管理料や人件費との比較が必要です。
・社外のシステムを利用するセキュリティリスク
社外のシステムを利用するため、セキュリティ体制を事前に確認しておくことが不可欠です。
・他のユーザの干渉を受けてしまう
仮想サーバを専用でレンタルできるとはいえ、物理サーバを他者と共有しているという条件は同じです。そのため、他のユーザが負荷の高い処理をしている場合には、干渉を受けることもあります。そのため、ASPの利用規約では、一定以上の負荷を継続的に発生させるような処理が禁止されていることがほとんどです。
・サーバ運用の知識を持つ技術者が必要
ある程度自由度が高い分、サーバ運用に関する一定の高い専門知識が必要です。
高まるVPS人気と今後の動向
近年では、クラウドのセキュリティ機能も強化されていることもあり、オンプレミス仮想サーバからVPSへ移行を希望する組織が40%を上回ったというレポートもあります。オンプレミス仮想サーバとVPSどちらを選択するにしても、自社の環境やニーズを十分に調べて利用することが重要です。
40%以上の企業がオンプレミス仮想サーバ環境をクラウドへ移行–IDC Japan – ZDNet Japan
https://japan.zdnet.com/article/35120911/
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