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自分がチームリーダーなんて!苦手な役割はどうすればいい?

この「運用ナビ」の記事を読んでいる若手エンジニアの中には、4月に初めてチームリーダーになったり、マネージャのポジションに就いた人もいるかもしれません。自分が望んでそうなりたくても、なりたくなくても、現場である程度の経験を積むにつれてそれなりに責任ある立場を任されるのは、組織人の宿命です。今回は、情報システム部のいち担当者からシステム運用を仕切るリーダーにステップアップする、若いエンジニアに向けてお届けします。もちろん、元若手の皆さんもぜひ最後までお付き合いください。

実は、皆あんまりリーダーなんてやりたくないのが本音…

あるシンクタンクの調査に依れば、日本の若い社会人は長時間労働で会社に縛られるよりも、自分のプライベートな時間を充実させたい意識が強くみられます。1980~95年に生まれたY世代(現在30代)よりも、1995年以降に生まれたZ世代(現在20代後半以下)でこの意識は顕著です。
また、周辺の東アジア諸国と比較して管理職への関心が低いのも特徴的で、男性よりも女性の方が責任ある立場を避けたがるようです。男女の社会的格差を示すジェンダーギャップ指数が156か国中120位(出典:Global Gender Gap Report 2021 – 世界経済フォーラム)だったり、家事や育児とのバランス、一旦離職してからの復帰などを考えざるを得ない現状では、無理もないかもしれません。

マイクロマネージメントの罠に陥らないためには

やりたくない仕事を仕方なくやる時にマズい手は、目的と手段を見誤ったり、システムを手抜きのために使うこと。
リモートで働くことが増えた昨今、パソコンの起動やマウスのトラッキング、アプリケーションの使用時間などを細かく記録するユーティリティーがインストールされている職場もあるかもしれません。つまり、メンバーの些細なことにまで口出し・手出しする「マイクロマネージメント」しやすい環境やルールが、すでに整ってしまっているわけです。
ある程度のスキルがあるメンバーには、ゴールだけ示してアプローチは任せることも有効です。ただし、信頼することと放置は別物。逆に、過度に接近することは「甘え」のリスクを生んでしまうこともあります。コロナ時代の距離感は、新人リーダーでなくても非常に難しい課題です。
何もかも細かく管理しようとすることは、管理する側・される側の双方に無駄な負荷が増えるだけです。とはいえ、すでにある環境やルールを変えることは、新人リーダーには非常に難しいでしょう。せめて『真にマネージメントすべきは、目先の些細な数値には表示されていないかもしれない』ことは意識しておきましょう。

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『それは誰に聞けばいいか?』を把握するのも技術

新しい技術トレンドを把握することは、エンジニアとして必要不可欠です。リーダーとして、チームのリソース調整に自分の時間が割かれてしまうより、まだまだ現場で力を発揮したい!メンバーよりも早く深くナレッジを得ておきたいのに余裕がなく、気持ちばかりが焦るものです。
「トランザクティブメモリー」と呼ばれる社会心理学の定義を知っていますか?これは『誰が何を知っているのかを、組織の全員が知っていること』です。チーム内の情報共有といえば、全員が同じ情報を同じようにシェアすることだと思いがちですが、むしろメンバーそれぞれが何らかのスペシャリストになることで、集合知としての効果が高まります。
ナレッジが過度に属人化してしまうのはリスクですが、『そのことだったら、あの人に聞くのがいい』というつながりが自然に生まれるのは、チーム全体の活性化にも有効です。リーダーが上手く情報の交流をアレンジし、メンバー同士がスムーズにコミュニケートできているチームほど、ナレッジが鍛えられ高いパフォーマンスを発揮します。

リーダーとしては「心理的安全性」にも配慮したい

近年、よくある面接手法の一つは、途中までは採用担当者や現場責任者を交えた面接で、最終判断は一緒に働くことになるチームメンバー全員が判断するというスタイルです。つまり、個々人の実績やスキルが重視されるのと同じぐらい、チームとして実際に機能するかが現場の肌感覚でチェックされます。
Googleが2015年に公表した「効率的なチーム」の要素の中では「心理的安全性」の確保が最も重要視され、今も多くの組織で引用されています。

Google re:Work – ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/identify-dynamics-of-effective-teams/

安全が確保されていない限り、新しいアイデアを提案したりチャレンジしようという機運が生まれないのは当然です。ちょっとした行き違いが、大きな心理的インシデントにもなり得ます。
隠れた大きなストレスを抱えているメンバーはいないか?どのメンバーの組み合わせはしっくり来て、逆にどこが反りが合わないのか?誰をどの現場に割り当てれば、チーム全体として仕事がスムーズに進むのか?
新人リーダーひとりの働きだけで、組織の「心理的安全性」が実現する訳ではありません。それでも例えば、普段使っているメッセージではなく通話でやり取りしてみたり、1on1でじっくり話を聞いてみる。忙しい毎日の中でも、各メンバーに合わせた丁寧なアプローチを、自分なりに工夫してみる価値はあるかもしれません。

学習と実践を繰り返し、自分なりのリーダー像で

現場のいち担当者からリーダーにステップアップするには、ワンランク上の視点・視野・視座が必要です。求められる仕事は、人材や時間、コストという限られたリソースを適切に割り振りながら、メンバーが働きやすい環境を実現し、パフォーマンスを最大化することです。
自分や身近な範囲の仕事だけをこなせばよかったのとは違い、広い範囲の目配り・気配りが非常に重要です。他のチームや部署、上層部との調整なども避けて通れません。今まで、自分がそれなりに仕事ができていたのは、そうできるだけの環境を周りが整えてくれていたからかもしれない…と気付くこともあるでしょう。
リーダーシップには、残念ながら現場に適した明確な「運用マニュアル」は存在しないため、苦手な人がますます不安になるのも仕方ありません。幸い、基本的なフレームワークや学習リソース、現場経験者のナマの声はWebサイトや書籍が豊富にあるので、参考にしてみるのはオススメです。もちろん、現場の状況をある程度知っている先輩やメンターがいれば、知恵を積極的に借りてみましょう。

マネージメントという意味では、人に動いてもらう環境づくりの役割は、システム運用に通じるところが多いともいえます。エンジニアとしてのステップアップや、社会人としてのキャリアパスを考えると、自分なりのリーダー像を模索しながら、現場適応していくことは大きなチャンスの一つでしょう。

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