情シス担当は「毎月が年度末」!? 年度の替わり目にやるべきこと
年度の切り替わりは、情報システム部にとっても、通常とは別の作業が増える時期です。とはいえ、このコロナ禍の2年あまりで、状況が様変わりした企業も多いのではないでしょうか?年度替わりという時期に限らず、人の異動やシフト、働き方など、迅速かつ柔軟な対応が迫られました。
まずは、この時期にやるべきことの一例を挙げてみました。そもそも、年度末のクロージングや新年度の準備のような定期的イベントは、定型化と繰り返しがポイント。仕事の全体を俯瞰して、属人化は可能な限り減らす一方で、貴重な人的リソースは重要なところに割り当て、定型化した作業は自動化・効率化することが重要です。
- 個人とチームのタスク洗い出しと整理
- 各種運用報告書の作成・レビュー
- ハードウェアやソフトウェア、各種ライセンス確認
- 異動による担当者の引き継ぎ、アクセス権などの管理
- 新メンバー用キッティング、サポートやOJT計画
- マニュアルなど、ドキュメントの整備
- 関連デバイスやソフトウェアなどの把握と処理
- 予算消化のための設備投資先の検討
- 5月前半頃までのスケジュール調整(可能なら有給休暇消化)
- 関係部署との調整
- 人事:異動や入社を確認
- 総務:各種手続きの処理方法と締め、新年度の制度確認
- 開発:プロジェクトの進捗と、人の異動を確認
- 営業やマーケティング部:最新情報の把握
- その他:意志決定層に関する情報収集
個人とチームのタスクを全て洗い出し
まずは、やるべきタスクを洗い出しましょう。普段からグループウェアでプロジェクト管理ができていれば、改めてチェックする必要はないはずですが、全てが理想通りにはいかないのも仕事。個人のタスクだけでなく、立場によってはチームのタスクと進捗を棚卸ししておくことも必要です。
この時期の定型業務としては、運用報告書の作成や上がってきた報告書のレビュー、ハードウェアやソフトウェア、クラウドサービスのライセンス更新などがあります。また、人材の異動による担当者の引き継ぎや、アクセス権などの更新、新しいメンバー用デバイスの準備とキッティング、新人のサポートや教育もぜひものでしょう。さらに、応急処置で貸与していたデバイスの回収や、半ば黙認していた「野良RPA」の処遇、予算消化のための設備投資の検討など、細かく洗い出すときりがありません。
出社したり現場で処理しなければならない作業か、リモートでもOKな手続きか。年度内が必須なのか、新年度でもいいのか。自分でなければダメか、他者に代行してもらえるのか。テレワークが導入された職場でも、旧来通り紙や捺印を要求される手続きが残っている現場もあるでしょう。粒度や優先順位、締切を意識しながらタスクを整理していきましょう。
運用マニュアルなど、ドキュメントの整備
新型コロナウイルスが流行し始めた一昨年は、とにかく対策が急務で他のことは後回し。去年は、繰り返される緊急事態宣言に忙殺された日々。コロナ禍が3年目ともなると、そろそろ先延ばしの言い訳は限界です。ワークスタイルが変わったのに、運用マニュアルの更新や作成、ルール整備が手つかずになっていたところがないか、チェックして確実に処理しておきましょう。
新しいチームメンバーが予定されているなら、その本人にドキュメントの整備を担当してもらうのはいいアイデアです。既存の資料やテンプレート、フォーマットをその人に共有した上で、実務の作業フローを説明します。本人には、具体的な手順を確認しながら学習してもらい、自分事としてドキュメント化してもらいます。チームに必要なナレッジの整備と教育が同時に進められるだけでなく、既存のメンバーでは当たり前過ぎて気付かなかった発見も期待できます。
関係各者との、いつも以上のコミュニケーション
年度替わりが大変なのは、他の部署や取引先も同じです。しかも、作業が増えると同時に、部署を横断するやり取りも発生します。
例えば、人事部は異動や組織変更、人事考課、新入社員研修の準備、中途入社の対応などに追われます。総務部も年度末の各種手続きの更新や変更、従業員の経費精算、出勤管理、入社式の準備などが必要です。開発や営業、マーケティング部なども、それぞれが時間に追われ、何より、上層部の緊張感が高まる時期でもあります。
相手の処理が進まないと、自分のタスクも進まないとはいえ、各部署の担当者の進捗は確認し辛いこともあります。気軽に会って話もできない昨今なので、軽く進捗を確認したり、雑談でニュアンスを伝えるわけにもいかず、作業の手数とメールばかりが増えがちです。社内電話1つで話せばそれなりに伝わるはずの話が、ぶっきらぼうな短いテキストでギクシャクすることも。険悪なムードを察知したからといって、立ち話で軽くフォローを入れたり、第三者を巻き込んでおくようなこともできません。
人間、追い込まれた時に本性が見えるもの。ITサービスの向こう側には、自分と同じように忙しく働いている人がいることを忘れず、普段以上の思いやりを心掛けたいものです。
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コミュニケーション環境の強化としての予算消化
システム運用・保守は、コストばかり掛かるコストセンターだと誤解されがちですが、奇跡的に予算が残っていれば、コミュニケーション環境の強化に回すのは有効です。リモート同士・リモートと会議室の良好な意思疎通は、多くの組織で最優先事項の一つです。ビデオ会議用のハードウェアを強化したり、ノイズキャンセリング機能を持つソフトウェアを導入する、議事録の自動化サービスを検討するなど、いろいろな方法が考えられます。
また、ビジネスチャットやメッセンジャーなど導入済みのコミュニケーションツールでも、予算消化に手頃なオプション機能やプランを確認しておくのもお勧めです。わざわざ新しく稟議を上げたり根回しする必要がない範囲で、一部のリモート環境や開発チームのメンバー、ヘルプデスクなど、小さな範囲で試験的に導入できれば、新しいナレッジも蓄積できるでしょう。
敢えて、有給休暇が消化できるかをチェック
無理を承知で、働く立場には重要なタスクについても触れておきましょう。もし今からでも調整が可能なら、有給休暇はできるだけ年度内に消化がお勧めです。
半休や積み立て、買い取りなど、職場の制度をチェックしておくのも重要ですし、仕事への影響を考えて年度明けや5月の大型連休、夏休みとのセットが可能なら、先送りも視野に。もし近い将来、転職の希望があるならなおさら、取れるときに取っておかないと、折角の権利も無駄になります。ただし前述の通り、関係者や取引先との早めの調整は忘れずに。
情シスにとっては「毎月が年度末」のようなもの
VUCA(ヴーカ)とも称される、変化が激しく先が読めない時代に於いて、予期しない出来事にも柔軟に対応できるだけのバッファを常に確保しておくことは、ますます重要になっています。結局、自分が休もうがリモートだろうが、年度替わりをスムーズに乗り切れるかどうかは、日頃からシステム運用が効率化できているかを計るバロメーターになり得ます。
「守りの運用」から「攻めの運用」への転換を考えれば、予算消化をあてにするよりも、必要なリソースの確保を目指すべきです。業務に関する必要な情報がメンバーときちんと共有できているか、作業が特定の人物に属人化し過ぎていないか、関係者との意思疎通や調整がスムーズか。これらは時期に関係なく、通常業務の中で実現すべきことです。
コロナ禍というかつてないイレギュラーな出来事でも、何とか乗り切ってきた頼れる情シス部門なら、年度替わりも通常通りの業務が進められるでしょう。でも、もし少しでも不安があるなら、この機会にシステム運用の自動化・省力化に向けて動くことを強くお勧めします。
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