RPAまとめ:ロボットを使う自動化のカギは、目的や成果のチェック!

RPAまとめ:ロボットを使う自動化のカギは、目的や成果のチェック!

人が操作するIT業務を、ロボットが肩代わりしてくれる「RPA(Robotic Process Automation)」。自動化の方法として広く知られるExcelのマクロよりも応用範囲が広く、これまで人間が手作業で繰り返して来た単調な作業を自動で処理できます。ただ、『単なるバズワード(流行言葉)になっていないか?』『実はもうブームとしてのピークは過ぎている』という指摘もあります。「運用ナビ」で紹介してきた記事で振り返ってみましょう。

ロボットを運用現場の味方につけよう!RPAで自動化を検討する理由

RPAは、アプリケーションやシステムの定型業務を自動化してくれる技術です。その特徴は、今、人が操作している状態を、そのまま自動化できるという分かりやすい点です。もちろん、疲れ知らずでミスも起こさず、高速に処理できます。複数のアプリケーションを操作できる、高い効率性もメリット。どの企業でも人材不足が叫ばれる昨今、わざわざ自動化するには開発や運用のコストが掛かりすぎていた、事務や総務、経理などの日常業務にも導入されています。

RPAは、人に代わる新たな働き手として、別名「デジタルレイバー(仮想労働者)」として期待されています。応用できる環境も広いため、システム運用の現場でも、即戦力として期待を集めています。また、単なる自動化・効率化に留まらず、単純作業から解放された人材を、よりレベルの高い別の業務にアサインすることも可能です。

今も、RPAに関連したサービスやツール、セミナーなども、いろいろなところで目にする機会があるのは、読者の皆さんも感じていらっしゃることでしょう。

ロボットを運用現場の味方につけよう!RPAで自動化を検討する理由
https://un4navi.com/automation/19014/

RPAによる自動化はExcelマクロやAIとどう違う?導入の注意点は?

RPAの話が出るときに、よく比較されるのがExcelのマクロです。Officeアプリケーション間の連携や、データ集計などは、マクロでも自動化したり記録できます。一方、プログラミングをせずに自動操作を再現したり、Officeアプリケーション以外の複数のアプリケーションをまたいだ操作は、RPAにしかできません。

また、RPAはAIともよく比較されますが、RPAは人間が作ったルールに従って判断するのに対して、AIはシステムそのものが自分で判断します。実は、「AIはRPAの一部」でもあります。

RPAは、すべてを完全に自動化できる万能ツールではありません。今、マクロで十分処理できている業務は、そのままマクロで作業すればコストも安く、手間も掛かりません。また、現在主流であるレベルの、次のレベルに進むには、AIの導入が不可欠なので、技術・運用・経営それぞれの面で十分な体制が不可欠です。

  • RPAが適さない業務がある
    RPAは、処理エンジンに判断基準や対処などのルールを設定しますが、設定されていないイレギュラーには対応できません。瞬時の判断が必要な未知のタスク、紙とデータの両方が必要な業務などには向いていません。
  • メンテナンスが不可欠
    システムやアプリケーションが変更されれば、RPAのルールも変更しなければなりません。参照先やデータが間違っていないか、検証する必要があります。
  • 人の操作との調整が必要
    RPAの能力が人の操作を上回ってしまい、エラーになることがあります。人の使い方に沿ったGUIベースの処理が自動化・高速化のネックになり、処理落ちになるのを避けなければなりません。

RPAによる自動化はExcelマクロやAIとどう違う?導入の注意点は?
https://un4navi.com/automation/19015/

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こんなはずでは…ロボットで自動化するRPAに潜む3つの落とし穴!

高度なプログラミングなどを必要とせずに使え、ITシステムに精通していない部署の人でも使えるのが、RPAの大きな魅力。対応するアプリケーションやシステムも広がり続けています。しかし、安易なRPAの導入が、かえって現場の効率を下げたり、効果が出にくくなることがあります。

  1. ITシステムに不慣れな人も使っているRPA
    プログラミングが不要で、Officeアプリケーション以外でも使えるため、ITシステムに十分な知識と理解がないユーザも使えます。ただし、不十分なリテラシーが阻害要因となってしまうこともあるため、システム運用担当者としては注意したいところ。
  2. 「部下」を育てられる上司か?という評価
    デジタルレイバー(仮想労働者)としてRPAを導入・運用するということは、前述のようなRPAの向き・不向きで業務を判断することが必要です。その上で、自分自身には、『丁寧に根気強く「部下」を育て続けられる上司か?』が問われることを意味します。
  3. そもそも本当に自動化して、続けるべき作業なのか!?
    そもそもRPAを導入してまで残す価値のある、本当に必要なプロセスなのか?自動化することそれ自体が目的化してしまっていないか?小手先の業務改善で満足するのではなく、実は、もっと根本的な改善が必要ではないのか?

こんなはずでは…ロボットで自動化するRPAに潜む3つの落とし穴!
https://un4navi.com/automation/19019/

そもそも、本当にRPAで処理すべき作業なのか!?

「マネジメントの父」ともいわれるピーター・ドラッカー氏の格言で、次のような言葉があります。

『元々しなくても良いものを効率よく行うことほど無駄なことはない』
『イノベーションの戦略の第一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることだ』

一見、RPAで効率化できたように思えるその作業は、システム全体のレガシーな設計など、根本的な問題の先送りになっているかもしれません。RPAを導入・運用する過程で、目的や成果を常に検討し続けましょう。

 

なお、RPAについては、株式会社コムスクエアさんにインタビューした記事を近日公開予定です。監視エンジン「PATROLCLARICE(パトロールクラリス)」を開発・販売していらっしゃる同社には、Interop Tokyo 2019でもお話を伺いましたが、それに続く第二弾。『実は、日本のRPAはもう終わっているのではないか?』という、ちょっと刺激的な話も飛び出しました。

RPAの導入や活用にいろいろ懲りてしまった人たちや、上手い使い方を工夫したい現場のエンジニア向けの内容になっています。どうぞお楽しみに!

RPAに絶望した人へのソリューション提案:(株)コムスクエア様インタビュー
https://un4navi.com/management/19060/

田嶋さま-(株)コムスクエア | Interopインタビュー
https://un4navi.com/interop/19029/

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