チャットボットで問い合わせを効率化しよう!

Webサイトで問い合わせをするときに、従来のようなフォームだけでなく、最近[チャットでお問い合わせ]ボタンがウィンドウの隅に表示されているのを見たり、実際に使ったことありませんか?「チャットボット」と呼ばれる自動応答機能ですが、サービスデスクに導入されるケースも徐々に増えてきていて、ユーザからの問い合わせやQ&A、資料請求、トラブル時の初期切り分けなどにも役立つので、システム運用でも要注目です。

チャットボットとは?

チャットボット(Chat bot)とは、自動応答プログラムと会話できる機能です。歴史は意外と古く、一般的には1997年、Microsoft Office 97に搭載された対話型ヘルプ機能「Officeアシスタント」で、広く使われ始めたといわれています。

チャットボットは、今までは人が対応していたユーザからの問い合わせに対して、Q&Aなどを自動表示します。シナリオやアルゴリズムを組み込んだプログラムなので、ユーザが入力した単語に反応して、あらかじめ決められた選択肢や分岐点で、ユーザに回答します。

チャットボットの主なメリット

チャットボットを使えば、定型化された比較的単純な会話であれば、顧客対応のコストを削減できます。また、顧客接点の増加や品質の向上、顧客対応ログの取得など、さまざまな利点があります。

・コスト削減

申し込み受付やQ&Aなど、人を配置する顧客対応業務をスリム化できます。人件費が高い深夜に人を使う必要がありません。

・時間外対応による顧客満足度向上

サービスデスクを24時間対応にできます。日中の一部の業務を人とチャットボットで回し、夜間から早朝はチャットボットだけで処理するような体制も可能です。また、ユーザも自分の好きな時間に問い合わせができるので、顧客満足度の向上につながります。

・対応ログデータの分析による、サービスや製品力の向上

音声だけでの顧客対応では、会話の内容をログとして残すのは非常に難しいことです。チャットボットでは、ユーザが入力したり選択したログから、ニーズや不満、クレームなどを効率的に把握できるため、サービスや製品の改善・強化に役立ちます。また、ユーザの問い合わせへのQ&Aや、トラブル時の初期切り分けなど、システム運用にも活用できます。

チャットボットのデメリットや注意点

デメリットとまではいわないものの、チャットボットの注意点はあります。まだ、現状ではすべてが完全にプログラムで処理されているわけではなく、途中から人に切り替わる場合も多いので、過度な期待は禁物です。

・導入と管理コスト

基本的な設定はありますが、初期の受付やQ&Aなど、データやシナリオ、アルゴリズムの設定が必要です。また、対象サービスや製品ごとのカスタマイズも不可欠。さらに、運用しながら回答率を上げるチューニングも欠かせません。

・期待と機能のギャップ

現在の一般的なチャットボットでは、人のオペレータほどの品質や柔軟性は望めません。そのため、完全に人に置き換えられるものではありません。日本語環境での機能も限定的なので、システム運用の現場とユーザの双方から『思ったほどには使えない』結果に終わるリスクはあります。

・部分最適化では済まない

チャットボットがどんなに優秀でも、システム運用全体に課題があれば、十分なパフォーマンスが発揮できません。チャットボットがソリューションとして有効に機能するには、現場のシステム運用を俯瞰的に観察し、効率化・最適化することが、結局は近道となります。

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チャットボットを導入するならココをチェック!

どんなサービスでも、目的や使い方、業務の範囲、そしてコストを総合的に判断するのは当然のこと。十分な期間を設けて、現場で検討しましょう。

・目的

コスト削減なのか?サービス向上なのか?取得したデータの解析によるサービスや製品の改善なのか?自社の環境に合ったポイントを吟味した上で、導入を検討しましょう。

・業務の規模

業務の規模や業種、ユーザ層などによっても、何をメリットとするかは変わります。規模によっては、無理に最新技術を導入しなくても、今の業務を工夫することで十分対応できる可能性もあります。

・機能とコスト

機能的な制限は十分に見極めて、自社の現場で使える範囲を検討しましょう。チャットボットは、一般的にクラウドサービスとして提供されますが、導入やランニング、オペレータの人件費などを考えると、統合型のシステム運用を導入する方が、費用対効果が高いことも珍しくありません。

チャットボットは今使うべき?これからどうなる?

現状のチャットボットでは、完全に人と同じような会話はできないので、想定されていない対応が必要になった場合は、人のオペレータに引き継がれるケースが一般的です。しかし最近では、Amazonのアレクサ、iOSのSiri、Facebookメッセンジャーなど、テキストではなく音声レベルのやり取りが、コンシューマレベルで実現しています。また、AIが導入されて回答の精度が向上したり、さらに高度な自然言語解析機能を持った、次世代のチャットボットの可能性も広がっています。

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一見、チャットボットを使うメリットは、コスト削減や効率化だけのように思えますが、ユーザに対応するシステム運用業務全体の効率化にもプラスに働きます。使い方や業務の範囲を工夫すれば、今の条件でも十分役に立ちます。一度、導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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