貴重な知識を共有!ナレッジマネジメントはシステム運用にこそ不可欠
ナレッジマネジメントとは、個人がそれぞれ持っている知識やノウハウ、スキルを整理し、チーム内で共有し合うことです。各個人の能力が高まることで、組織力をアップさせることにつながる、情報管理のスキームです。近年、このナレッジマネジメントがいろいろなところで再注目されています。システム運用にも大いに役立つその概要とは?
ナレッジマネジメントとは
ナレッジマネジメントは、ITに限定されるものではなく、また、概念自体は、以前から組織でも導入されていた手法です。日報による報告や個別の勉強会などは珍しくありません。
従来、知識や経験とは、長い修行期間を経て身に付く直感のように、職人技的な属人化した価値観が主流でした。『寿司職人になるのに、長い修行期間が本当に必要なのか?』という議論が巻き起こったことを、ご存知の方もいると思います。
これは、「暗黙知」と呼ばれる知識で、言語化・データ化しづらいため、他者と共有することは非常に難しいとされてきました。一方、IT技術やグローバル化の発達で、デジタル化・ソーシャル化された手法が取り入れられることで、個人に内在していた知識を「形式知」にすることが可能になり、ナレッジマネジメントが改めて見直されるようになりました。
ナレッジマネジメントが再注目される背景
・IT技術やグローバル化の発達
各種のITサービスが充実したことで、効率的な情報共有であるナレッジマネジメントが再び注目を集めています。また、グローバル化によって、海外に進出していく日本企業や、日本の組織内で外国人労働者が増えています。「何となく察する、見て覚える」旧来の日本的な文化で許されていたルールが通用しなくなっています。
・ワークスタイルの多様化
2019年から本格的に始まった「働き方改革」により、企業でも働き方が多様化しています。リモートワークやフレックス、時短勤務など、オフィスの中でだけは情報共有が難しくなってきています。また、転職によってキャリアアップする考え方が広がっています。終身雇用制度の終焉も、経団連が宣言しました。人材が流動化することで、知識やノウハウが、組織の内部に蓄積し辛くなりました。
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ナレッジマネジメントのメリット
ナレッジマネジメントは、知識やノウハウの共有、必要な情報のアップデート、業務の効率化など、さまざまな点で役立ちます。
・情報の共有
優秀なエンジニアが持つ、有益な知識や知恵、技術、成功体験などを蓄積できます。情報を提供する人にとっても、giveすることによって、チーム内の信頼をtakeしたり、さらなる情報を得るきっかけになります。
・チームの効率化や関係の強化
各個人の能力向上が期待できます。また、組織の円滑なコミュニケーションや活性化に繋がることで、次世代のリーダー発見や、新人教育にもプラスに作用します。
・運用リスクの低減
具体的かつ詳細な知識を共有することで、例えば、社員の異動や担当者の変更、休暇、休職、退職があっても、業務の引き継ぎがスムーズになり、運用管理面でもリスクを低減できます。
・顧客対応の強化
ヘルプデスクやカスタマーサポートなど、顧客対応のフロントで得られた情報を、運用や開発、営業部門に共有することで、より効果的な運用や、新しいサービス開発へとつながります。
ナレッジマネジメントに使えるサービス例
ナレッジマネジメントに適したサービスを使うことで、貴重な知識をフローさせたままで終わらせず、共有されやすい状態でストックしておくことができます。メンバーのスキルに差があっても誰もが使いやすく、わかりやすい環境を導入しましょう。
社内SNS:Slack、Chatwork、Talknoteなど
グループウェア: サイボウズ、Office 365など
クラウドストレージ :GoogleドライブやDropbox、OneDriveなど
営業管理や顧客管理システム:Salesforce、Zohoなど
社内Wiki:Github、Dokuwikiなど
ナレッジもシステムも、要は運用
コミュニケーションや情報共有、属人化させないノウハウなど、ナレッジマネジメントの特徴はすべて、ITシステム運用の現場にそのまま役立ちます。むしろ、日常業務の中で自然にしていることばかりで、改めて考えるまでもないかもしれません。
それはつまり、知識もシステムも、効果的で適切な運用と維持管理が不可欠という点で、共通しているということです。効果的な仕組みを使いながら、メンバー個人とチーム全体の両方の、エンジニアとしてのスキルをアップさせていきましょう。
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