システム運用も、DXとアウトソースが待ったなし!:現場のプロに聞いてみた(10)

システム運用も、DXとアウトソースが待ったなし!:現場のプロに聞いてみた(10)

Iさんへ、サポートやアウトソーシングについてのインタビューはまだまだ続きます。仕組みの効果と人材育成について、アウトソーシングする側・される側、それぞれに共通する課題とは?

イレギュラーが起きてもシステムを止めない!サポートの覚悟:現場のプロに聞いてみた(9)
https://un4navi.com/interview/20076/

DXのための、アウトソーシングという武器

―DX(デジタルトランスフォーメーション)は、2019年のバズワードの一つでした。

I:ビジネス環境の激しい変化に対応するには、さらに効率化・高速化・省力化が求められます。以前はオンプレミスで自社サーバを抱えている環境が普通で、何か障害が起きると、業務が止まってしまっていたわけです。夜間だろうが、自分たちで保守や交換して復旧させなければなりませんでした。
それが今は、手順がどんどん簡素化されています。システムを効率的に監視して、必要なときには何が起きたか通知して、プロセスだけ上げる。障害が起きても、よほど深刻でもないかぎり、リモートで再起動すればいいだけ。しかも自動オペレーションが可能です。

―お客さんがアウトソースを検討するきっかけは?

I:『システムは開発してもらったけれど、システム基盤の「お守り」までしたくない』というお客さんが多いですね。弊社の他のサービスを使っていただいている、延長での問い合わせもあります。
『何が何でも、自分たちで全部抱え込まなければ仕事が回らない』ような文化は、ここ10年ほどで減ってきているので、業務をアウトソースすることに対する抵抗感は、少なくなっていると感じます。実際、業種や規模、地域性はあまり関係ないですね。仕組み化しておけば、わざわざセンターへの通知や、日中の高単価なエンジニアが担当する必要がありません。コストメリットを上げるソリューションとして、アウトソーシングが選ばれています。

―やはり、現場によっては、合う・合わないがありますか?

I:はい。例えば、自社でデータセンターを抱えているような企業だと、未だに『障害が起きたら、まずパトランプを目視で確認する』とか、普通にありますよ(笑)。従来通りの方法じゃないと、不安なのかもしれません。
例えば、システムの死活監視は、監視サービスを使えば簡単で効率的です。ただ、昔からずっと預かっているシステムだと、なかなか変えられないんです。ランニングフェーズで使われ続けていると、リプレースのようなきっかけでもない限り、システム運用を抜本的に変えられないという、現場の事情があります。

―アウトソーシングが、自社に有効か、見極めが必要ですね。

I:その通りです。新しいサービスや組織に合わせて、ライトなシステムへ移行していけば、運用もシンプルに効率化できます。例えば、弊社のシステムでは、業務の流れを「ナビゲーション」や「ワークフロー」として視覚的に把握する機能があります。紙の手順書を探して、文章を読んで理解するのではなく、導線をビジュアルで把握できるのは、非常に便利ですよ。具体的なフローにまで落とし込まれていると、ミスも減る。問い合わせの電話が少なければ、限られた人数だけで回せますし、教育期間も短くできます。定義されていれば、自動化もできます。
きちんと自社の環境に最適な運用設計をして、本当に監視が必要なポイントだけに整理したり、障害が起きたときに自動化できるプロセスを決めておけば、今よりも楽にシステム運用できます。そうやって空いたリソースは、また次のビジネスへと回す余裕が生まれます。

システム運用をアウトソーシングする?しない?チェックはココだ!|運用ナビ
https://un4navi.com/prologue/19073/

―ひょっとして、積極的に営業しなくても案件には困っていない…とか?

I:そんなことはないですよ(笑)。あくまでも、お客さんから選んでいただく立場なので、まずは扉を開いて受け入れていただく「ドアオープナー」として、上手くアプローチしていかないと成約には結びつきません。確かに、コストもシビアに見られますが、価格訴求だけでは扱い件数ばかりが増えてしまい、質が下がります。
弊社は、回線やインフラ、サービス、サーバなど、トータルソリューションを提供できます。仕組みがないところでも、お客さんのニーズに応えて新しく作ったり、人で作っていけるのが強みです。

システム運用も、DXとアウトソースが待ったなし!:現場のプロに聞いてみた(10)

課題は、仕組みの効果と人材育成

―ところで、今の仕事で最も難しいところは、何ですか?

I:まず、仕組みがあるからといって、サポートが十分に機能するとは限らないことです。お客さんのシステムによって、当然、情報の扱い方が違います。システム運用設計が甘ければ、結局、サポートとしてできることが限られてしまうんです。
運用フェーズでトラブルになり、クレームが来て手順を確認したら、もっと楽にできるポイントがいろいろ見つかる。とはいえ、それを改善して負荷が減るまでは、時間が掛かってしまう…そんなことはよくあります。結局、仕組みがあっても、それを十分に利用し切れていないんですね。

―なかなか難しいですね。他にもありますか?

I:やっぱり人…100%、人です。

いくら立派な仕組みがあっても 人の質がよくなければ、どうしてもミスが起きてしまいます。僕らの仕事は、役務提供型の業務なので、業務の質が担当するメンバーの教育レベルに大きく左右されます。
弊社の「アウトソーシング」チームにも、最低限これが理解できている必要がある、チェックシートがあるんです。独り立ちして業務ができるようになるには、それをすべてクリアしなければなりません。

―人手不足の中、上質な人材育成と確保は、どの企業でも大きなテーマです。

I:はい。もちろん、教育は数回で終わるわけではなく、システムの機能がどんどん増えたり変わっていくのに合わせて、常にアップデートしていくことが不可欠です。昔は、ハードウェアに関する知識が必要だったのが、今はAWSやAzure、GCPなど、各サービスの勉強の方が重要です。サービスを提供する側である以上、お客さんよりも常に、最新かつ十分なノウハウが欠かせません。
何か障害が起きたときに、決まっている処理なら自動化しておけば、数人の優秀な人材だけでカバーできる。シフトの中に、何をすべきか、迅速かつ適切に判断できる人材が、常にいるのが理想です。

 

『限られた人材の質を上げ、システム運用を楽にするには、アウトソーシングを選ばない理由がない』というのは、サポートを提供する側自身にも通じるところが多いのが現実のようです。佳境に入った話は、最終回へと続きます。

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