もっと知ろう!システム運用に関わるエンジニアの役割の違い(3)
ITシステムを安定して稼働させるには、システム運用の担当者だけがいれば十分なわけではありません。ユーザのビジネスや目的を深く理解し、入念な設計に基づいて開発し、運用や保守で管理するまでに、さまざまなエンジニアが関わります。開発エンジニアの視点で、システム運用も設計するDevOpsという考え方も、決して机上の空論ではなく、とても理にかなった手法だといえます。
もっと知ろう!システム運用に関わるエンジニアの役割の違い(1)
https://un4navi.com/prologue/19035/
もっと知ろう!システム運用に関わるエンジニアの役割の違い(2)
https://un4navi.com/prologue/19036/
開発と運用が相互協力するDevOps、運用も開発現場に積極参加!
https://un4navi.com/efficiency/19018/
ファシリティエンジニア:地味な管理と侮るなかれ
ファシリティとは、電源や空調、通信などの設備・備品のこと。総務系の管理業務なので、地味なイメージを持つかもしれませんが、オフィス内に限らず、データセンターなど、設備の設計管理を受け持つプロフェッショナルです。他のIT職種だけでなく、建築士や設計士が務めたり、オフィスデザインのスキルが要求されることもあるのが特徴的です。
また、オフィスのレイアウト変更や移転などでは、プロジェクトを企画・指揮し、不動産会社やビル管理会社との折衝や、コスト削減を考慮した業者選定なども担当します。快適で効率的、安全なオフィス環境を提供する、エンジニアをサポートするエンジニアでもあります。
近年では、ITの現場にも再生可能エネルギーの導入が叫ばれ、人員シフトに合わせた電力量の需要管理による省エネ対策など、「グリーンエネルギー」環境へのシフトも仕事の一部です。
- データセンターやオペレーションセンターの電源や空調設備の保守
- 電気使用量を予測した計画の立案
- 通信設備の設計や管理
- 入退室のセキュリティ管理
- UPSなど予備電源の確保
- オフィスのレイアウト変更や移転対応
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サービスデスク/へルプデスク:ユーザ接点の最前線
社内外からの問い合わせ全般に対応する窓口です。ユーザからの問い合わせに迅速に対応し、スムーズに問題解決へと至るプロセスを示すことで、ユーザの高い満足度を維持します。サービスデスク/へルプデスクの呼び方には、明確に区別があるわけではなく、業務内容もほぼ共通しています。
一般に、サービスデスクは、エンジニア職だとは考えられていません。しかし、サービス運用や管理の事例集であるITILにも入っているほど重要な役割です。サービスデスクから社内SEへとステップアップするような例もあり、技術と対人スキルの両方が重要な専門職であることには変わりありません。
サービス運用や管理の事例集 ITILについて知ろう:ITILの基本(1)
https://un4navi.com/management/19007/
サービスデスクは、社外のユーザ(法人・個人)に対しては、サービスの操作説明や技術的なサポート、トラブルが起きた場合の処理や苦情への対応、新商品に関する説明など、さまざまな役割を担っています。そのため、人対人のコミュニケーション能力や対応力が最も要求される業務です。また、積極的に情報を発信することは、インシデントを未然に防ぐことにもつながります。さらに、ユーザの相談に対して最適解を示すことで、サービスに対するロイヤルティやエンゲージメント(親密度)を高める可能性を持っています。契約や管理業務とも連携する、非常に専門性の高い業務です。
また、社内に対しては、スタッフからの問い合わせに対応します。新人や中途採用者だけでなく、新しいサービスリリース後にお世話になることもあります。他にも、ユーザからの反応のフィードバックや、障害原因の共有、検出されたアラート対応で部署間の情報交換を仲介する役割を担うこともあります。
- 問い合わせ全般への対応
- サービスの使い方に関するサポート
- トラブルやクレーム処理
- サービスに関する情報発信
- ユーザへの提案
- ユーザからのフィードバック
サービスデスクはヒントに溢れる顧客接点の最前線!:ITILの基本(8)
https://un4navi.com/prologue/19006/
最近では、人の負担を減らすために、サービスデスクにチャットを併用した例も増えています。キーワードを解析するBOT(自動プログラム)による応答でFAQなどに誘導し、必要があれば、人による対応に切り替わるようになっています。
また、業務の規模や内容によって、サポートセンターで処理する場合と、ユーザ先にオンサイトで常駐する場合とがあります。窓口業務として、コールセンターにアウトソースする例もあります。ただ、サービスデスクは、エンドユーザの声を直接拾い上げるシステム運用のフロントともいえるので、組織の内部に部署を置くのと同じレベルで、迅速かつ細かな情報共有が不可欠です。
同じチームのあの人の仕事を、もっと知ろう!
アドラー心理学で知られる心理学者のアルフレッド・アドラー曰く、『人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである』。メールやSlack、テレビ会議だけで十分に意思疎通ができているつもりになっていると、いつの間にか、自分でも気づかない小さなコミュニケーションリスクになっていて、実はプロジェクトにまで影響するかもしれません。
もし、これらの記事を読んで『あの人は、こういう仕事もしているのかも?』『なるほど、こういうマインドを持っているのか!』と少しでも感じていただけたら幸いです。他者の業務内容や考え方に関心を持ち、正しく理解することは、システム運用担当者の業務についても、正当な評価を得ることの第一歩です。そして、チームメンバーの相互理解こそが、プロジェクト全体のパフォーマンスを上げることへとつながります。
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