システム運用担当者なら注目したい資格とは?-エンジニア編

システム運用担当者なら注目したい資格とは?-エンジニア編

前回の記事では、システム運用業務に関わるマネージメント系の資格をご紹介しました。今回は、エンジニア系の資格を個別に見てみましょう。適切にマネージメントができるのも、エンジニアとして、幅広く深い、最新の知識があればこそ。当然、マネージメント系とエンジニア系で、複数の資格を所有しているプロフェッショナルも珍しくありません。

システム運用担当者なら注目したい資格とは?-マネジャー編
https://un4navi.com/management/19040/

現場で活躍するプロとしてのエンジニア系資格

ITエンジニアのスペシャリストとしての資格も、職種に応じてさまざまです。これらも、現場での業務内容と同様に、その資格だけが単独で存在するのではなく、相互に関係しています。

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:試験制度:試験区分一覧
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html

試験区分一覧

試験区分一覧(出典:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構)

システムアーキテクト(略号:SA)

システムアーキテクト(略号:SA)
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sa.html

システム開発の工程を主導する立場として、ITサービスのアーキテクチャ設計から分析、要件定義に関係する資格です。現場の豊富な経験と知識を活かし、的確に調査・分析した結果を、具体的なグランドデザインとして描く能力を証明します。

ネットワークスペシャリスト(NW)

ネットワークスペシャリスト(NW)
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/nw.html

ネットワークのプロとしての資格です。ネットワークの設計や企画、構築から、運用・保守、セキュリティに至るさまざまな現場で、中心的役割を担います。難易度が高い資格ですが、システム運用業務に携わる立場なら、これも挑戦したいスキルといえます。

データベーススペシャリスト(DB)

データベーススペシャリスト(DB)
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/db.html

データベースの要件定義や開発、運用・保守のプロフェッショナル資格です。前述のネットワークやインフラ系のノウハウとも密接に関係します。実際の業務の現場で役立つ資格として、後述するベンダー資格も合わせて、取得を検討するのもいいでしょう。

エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)

エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/es.html

スマートフォンやスマート家電から自動運転の制御まで、デバイスに組み込まれているシステムの、開発基盤の構築や設計、製造に関する専門家です。ハードウェアとソフトウェアの両方を熟知した資格で、IoTの現場で最も注目されています。

情報処理安全確保支援士(SC)

情報処理安全確保支援士(SC)
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html

情報セキュリティに関する総合的な知識と経験を持つ資格です。サイバーセキュリティがビジネスの存亡に関わる今、リスクを冷静に分析・評価し、ビジネスへの影響を回避します。

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システム運用に有効なベンダー認定資格

現場では、導入されているメーカーや製品に特化した専門知識や技術が求められます。トラブルが発生したときに、原因や対策に「あたり」が付けられることは大きなアドバンテージです。特定のサービスについて熟知していれば、問題解決がさらにスピードアップします。いずれも、システム運用の担当者としても、見逃せない資格です。

マイクロソフト認定資格プログラム(MCP)

  • マイクロソフト認定システム アドミニストレータ(MCSA)
  • マイクロソフト認定データベースアドミニストレータ(MCDBA)
  • マイクロソフト認定システム アドミニストレータ(MCSE)など

マイクロソフト認定資格プログラム(MCP)
https://www.microsoft.com/ja-jp/learning/certification-overview.aspx

Oracle社 ORACLE MASTER

Oracle社 ORACLE MASTER
https://www.oracle.com/jp/education/certification/index-172250-ja.html

Cisco社 シスコ技術者認定(CCNA、CCNP)など

Cisco社 シスコ技術者認定(CCNA、CCNP)など
https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications.html

Linux技術者認定資格 LinuC(リナック)とは | LPI-Japan

Linux技術者認定資格 LinuC(リナック)とは | LPI-Japan
https://linuc.org/about/01.html

Zabbix公式トレーニングプログラム/認定資格

Zabbix公式トレーニングプログラム/認定資格
https://www.zabbix.com/jp/training

システム運用のスキルに有効な資格は?

一般に、これらのIT資格と試験には、次のような特徴があります。

  • 資格にはバージョンがあり、試験内容も時代のニーズによって変わっていく
  • 区分が変わった過去の資格では、有意性の有無が示されることがある
    (過去に資格を保有していたものの、最新の技術に即していない、など)
  • 上位資格を受験するには、下位資格を持っている必要がある
  •  ベンダー資格は国外でも通用
  • 合格できなくても、一定の期間内であれば、再受験が可能

IPAの実施時期は、春期試験(4月第3日曜日)と、秋期試験(10月第3日曜日)のどちらか年に1回または2回です。また、ベンダー資格も定期・不定期に試験が実施されていて、トレーニングプログラムや市販教材、試験対策のコミュニティなども豊富です。
システム運用の担当者としては、忙しい日々の業務の中で、学習の時間を確保するのは非常に難しいのが現実でしょう。しかし、現場のハードな運用業務を経験することがそのまま、何よりの学習機会になっているはずです。名刺に入れるだけの資格に終わらず、自分が目指すべきエンジニア像を具体化する方法の一つとして、転職や就職の武器として、検討してみる価値は十分ありそうです。

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