運用設計って一体どんな仕事なのか?:現場のプロが語ってみる(1)

IIJの福原です。弊社のSaaS型の統合運用管理サービス「UOM」の開発責任者です。今回から7回に分けて、運用設計について皆さんにお話しします。
運用設計や監視設計という業務は、ちょっと分かりにくくありませんか?エンジニアの皆さんが、運用設計について真剣に知りたがっている様子は、いろいろなところで実感しています。この「運用ナビ」でも、アクセスランキングの上位にランクインしています。
ただ、考え方をまとめた資料はありますが、運用設計のことを手軽に学んだり、体系的に解説したマニュアルやノウハウ集のような資料は、残念ながらあまりないのが現実です。
これはなぜかというと、システム構成や規模、ネットワーク、インフラ、人材構成など、さまざまな条件が、現場ごとに大きく違うからなんです。つまり『運用設計は、ココがポイント』、『監視設計は、こうするのが常識』といった正解がないので、具体的に説明しようがないのです。
そんな運用設計について、この連載記事で何とか解説してみます。

運用設計を図で示すと…!?

一般的に、システムに何か障害が起きてから復旧させるまでは、一連のフローがあります。UOMの図で説明すると、中央下から始まって時計回りに、まずシステムを[監視]して、必要なアラートだけ[抽出]して、メールや電話で自動[通知]し、自動オペレーションで[一次対応]したら、チケットに[記録]し、アウトソーシングなどで[問い合わせ対応]するという、流れができています。
確かに、システム運用の個別のステップなら、比較的分かりやすく説明できます。UOMは、運用フェーズの部分だけに特化した、SaaS型の統合運用管理サービスです。そのため、システム運用全体のフローや個別の機能や業務については、このように説明できます。多少の違いはあっても、他社さんの統合型のシステム運用サービスでも同じ流れです。実際に皆さんが関わっている現場も、大体、似たようなフローで業務が回っているはずですね。

UOMシステム図

ただ、運用設計とは、UOMが提供している機能ではなく、「ITのライフサイクル」というもっと広い範囲のことです。この図には収まりきれない、さらに外側の話なんですね。そのため、弊社自身のUOMの説明でも『運用設計についてもご相談ください』と、文章でさらりと書いておくぐらいしかできていません(笑)。運用設計の経験が浅い駆け出しから中堅のエンジニアの皆さんや、システム運用をあまりよく知らない経営者の方にしてみれば、いくら探しても具体的な情報や分かりやすい図がほとんど出てこないので、イメージしにくいのも無理はありません。

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まずは運用設計の基本から

運用設計とは、システムを安定して稼働させるシステム運用のフレームワークを作る業務です。それぞれの現場で日常処理する作業や、 障害対応のルールやプロセスなど、運用エンジニアが必要とする情報を整理し、まとめます。あらかじめ運用設計しておくことで、システム運用がスムーズに回り、ビジネスに影響が出るリスクを最小限に抑えられます。運用設計は、システムとして処理することと、業務としてすることの切り分けともいえます。

システム運用だって設計が必須!設計の視点が運用担当者を救う!
https://un4navi.com/prologue/19039/

では、運用設計の概要を、いくつかの点から説明してみます。
まず、運用設計の担当者ですが、どのような立場の人が担当するかは、現場によってさまざまです。開発の人が兼務することもあれば、運用のマネージャが引き受けることもあります。ある程度、豊富な現場経験を持つエンジニアが担当することが一般的です。
次に、設計する項目ですが、これは多岐に渡ります。サービスやアプリケーション、インフラなどの監視、各種メンテナンス、ITILに準じたサービス管理、バックアップやログ管理、運用書類管理などさまざまです。
どのタイミングで運用設計するかは、できるだけ早い段階、できれば要件定義と基本設計からスタートしておくのが理想です。運用設計の担当者は、システムの仕組みや構成、OS、ミドルウェア、ネットワーク、データベース、想定されるリスク箇所など、細かいヒアリングから進めていきます。開発側のことを全部知っておく必要はないにしても、機能や機器構成、システムフロー、外部サービスなど、必ず抑えておくべき重要なポイントがいくつもあります。「非機能要件」といわれる機能以外の要件、例えば可用性や拡張性、運用保守性、自然環境への配慮なども、設計段階でほぼ決まってしまいます。
運用体制も重要です。必要なスキルを持ったエンジニアを適材適所で割り当て、ユーザや開発、経営層を含むいろいろなステークホルダーとの交渉スキルも必須です。
設計に必要な情報は、その都度、資料に残して更新していきます。弊社でも、お客さんのシステムをアウトソーシングで預かるときには、ネットワーク構成図を描いたり、ソフトウェアや保守期限を一覧にまとめたり、対応方針を整備したり、一つづず細かく確認と取り決めを繰り返しながら、すべて言語化・文書化・見える化していきます。

次回は、監視で何を監視するのが妥当か、そして設計という「思想」についての話をしましょう。どうぞ今しばらくお付き合いください。

IIJ_福原亮株式会社インターネットイニシアティブ
システムクラウド本部
クラウドサービス3部 副部長 兼 M&Oサービス開発課長
福原 亮

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