失敗や不十分な対策も次のヒントに – 情シス現場のホンネ2

今回も引き続き、IIJが昨年秋に実施した、情報システム部門のエンジニアへのアンケートからご紹介します。

出典:株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)『2020年 情シス頑張ったことアンケート 集計レポート』2020年11月
https://www.iij.ad.jp/svcsol/survey/202012/

前回は、コロナ禍に見舞われた2020年度において、何とか上手く乗りきったことや、気になっていたキーワードを中心に解説しました。回答からは、そうでなくても日頃から少人数のチームだったにも関わらず、急なテレワーク導入や拡大に際しても、デバイスやソフトウェアの調達・設定・管理に奮闘する、現場の苦労がはっきりとわかりました。また、これも従来からDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性が指摘されていただけでなく、ビジネススタイルそのものの激変によって、DXのさらなる加速に翻弄されていた様子もうかがえました。
今回は、その「裏側」をチェックしてみましょう。

前回の記事はこちら。

この一年でエンジニアが奮闘したコト – 情シス現場のホンネ1
https://un4navi.com/uom/21141/

実は、プラスの成果と上手くいかなかった課題とは、紙一重!?

実は、前回紹介した情シスエンジニアたちの自己評価による「よくやってできたこと」と、今回の「やろうとしたが、失敗したり不十分だったこと」とでは、似たような項目が並びました。プラスとマイナスどちらに振れるかは、その時々の条件で変化したり、同じことでも善し悪しの両面があったようです。恐らく、この状況は形を変えて今も続いているはずです。

  • 多くの端末の調達、セッティングなどに苦戦した
  • 今後の予定や予算への大きな影響があった
  • セキュリティ対策には多少目をつぶって、時間を優先した
  • ネットワークの負荷が高く、業務に支障が出てサポートにクレームが押し寄せた
  • 新人エンジニアの教育が十分にできなかった
  • IT資産管理や運用手順の変更が間に合わず、無駄な後作業が発生してしまった
  • 普段通りのコミュニケーションが、ビデオ会議だと非常に難しかった
「ここは失敗した」「惜しかったな」と思える取り組みや活動

「ここは失敗した」「惜しかったな」と思える取り組みや活動

必要に迫られてやってみたテレワーク!見えた課題と対策 | 運用ナビ
https://un4navi.com/efficiency/20114/

「検索されなかった」キーワードにも見えた、運用現場のホンネ

情シスのエンジニアが気になって調べたキーワードのトップは、やはり「DX」。近年のバズワードになっているものの、実体がなくて掴みどころもない分、検索頻度も高かったようです。

システム運用も、DXとアウトソースが待ったなし!:現場のプロに聞いてみた(10) | 運用ナビ
https://un4navi.com/interview/20077/

一方、最近よく見聞きして、新しいITトレンドワードの仲間入りをしている「SASE」や「DevOps」は、意外にもトップ20のランク外でした。SASE(サシーまたはサーセ:Secure Access Service Edge)とは、調査会社であるGartner社が提唱した、セキュリティフレームワークのことです。さまざまなワークプレイスにいるユーザが、いつでもクラウド上のアプリケーションやデータ、サービスに安全にアクセスできるようにする、クラウド時代・ニューノーマル時代に則した考え方です。また、DevOpsは、システム開発と運用とを一体化して取り組む概念で、こちらは従来から注目されてきたキーワードではありました。

これらがランクインしなかった理由は、前述の『緊急性を重視した結果、それ以外のいろいろなことを後回しにせざるを得なかった』という、回答が示していると考えていいでしょう。『確かに、重要性も理解しているし気になっているものの、とにかく今は現状をどうにかするので精一杯で、新しく何か考えたり対策を取る余裕がなかった』…そんな現場の嘆きが、調べられなかったキーワードからも聞こえてきそうです。

しかし、コロナ禍も2年目となると、そうもいっていられません。特にSASEについては、ワークプレイスやワークスタイルの多様化と直結しているため、このキーワードで表現するかどうかはともかく、システム運用現場で避けて通れない課題の一つです。

情シスのエンジニアが気になって調べたキーワード

情シスのエンジニアが気になって調べたキーワード

今後、必要なのは、相互に関係するこの2つのキーワード!

また、「2021年に、お勤めの企業で特に取り組みたいことを教えてください」という設問に対しては、「システム」「クラウド」のキーワードが同率で1位・2位となりました。

エンジニアがコロナ禍に振り回された2020年度は、それまで徐々に拡大していたクラウド化よりも、テレワーク環境の整備の方が、優先度が高くなりました。ただ、テレワークの導入や拡大、出社とのハイブリッドなワークスタイル、そしてワークプレイスの多様化に対応するには、クラウド化をさらに加速させる必要があるわけで、結局この1位と2位は、相互に関係する同じことを示しているといえます。

複数のクラウドサービスを組み合わせて運用するマルチクラウドや、クラウドとオンプレミスをシームレスに使うハイブリッドクラウドなど、システムは複雑化・多様化しています。部分最適化ではなく、全体としてシステム運用を効率化していくことは、VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)と称される変化が激しい時代には、必要な対策だといえるでしょう。

エンジニアがこれから特に取り組みたいことのキーワード

エンジニアがこれから特に取り組みたいことのキーワード

この他にも、情シスエンジニアの皆さんに質問した詳しいアンケート結果を公開しています。ぜひ、こちらをご覧ください。https://www.iij.ad.jp/svcsol/survey/

ポストパンデミックは、システム運用の効率化がさらに重要に

ワクチン接種の有無が人々の生活をさらに変えていく今、企業はビジネスモデルやビジネススタイルを大きくシフトせざるを得ません。組織として生き残るだけでなく、工夫や挑戦により新たな成長を目指すには、研究開発が重要です。となれば、システム運用や保守に対するコストダウンの要求は、さらに厳しさを増すでしょう。
人材不足も、さらに深刻化することはあっても、急に改善することは期待できません。対面ではない分、OJTによる人材育成も難しさが指摘されています。

過酷に思われがちな「ひとり情シス」による運用は、本当に不幸なのか? | 運用ナビ
https://un4navi.com/efficiency/19013/

「IIJ統合運用管理サービス(UOM)」を使って自動化すれば、現状の限られた人材だけでも、効率的な運用が可能です。日々のルーティーンワークの負担を減らせば、システム運用や保守の観点からも「次」を考える余裕が生まれます。また、より高度な現場での経験や知識が必要なら、システム運用をアウトソーシングすることも可能なので、人材不足や育成の問題にも、柔軟に対応できます。
システム運用を効率化できるUOMの具体的な機能紹介については、次回以降の連載にどうぞご期待ください!

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